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2024年1月10日(水)、フリーランス国際協力師・原貫太さん講演「世界を無視しない大人になるために」が開催されました。 アフリカで支援活動しながらYouTubeや書籍で国際協力を発信し続けている原寛太さんのお話を聞くことができ、私たちの生活がどんな影響を与えているのか、今自分に何ができるのか?を考えるきっかけになりました。 この記事ではコミュニティ会員のさっこが当日の様子をレポートします♪

原寛太さんが国際協力を目指したきっかけ

まずは原さんが国際協力に参加しようと思ったきっかけについてです。原さんは19歳の時に、貧困の現状を見ようと東南アジアのフィリピンのスタディツアーに参加したそうです。

そのツアーの最終日、ボロボロの服をきた7歳くらいの女の子が赤ちゃんを抱っこしながら、「お金をください」と物乞いをしていたのを見た原さん。その出来事が衝撃的で、自分にできることを探したいと思ったことが国際協力を目指したきっかけの一つだそうです。

私自身も大学生の時、フィリピン、カンボジア、ベトナムのスタディツアーに参加したことがありますが、やはりその時の衝撃は本当に大きく、その後また海外にいこうと思ったきっかけになりました。何かやってみたいという人にはまずスタディツアーはとても良い機会だと思います。

原さんはその後、海外で感じたことをSNSで発信。しかし、海外で感じた問題についてはSNS のいいねが少なく、伝える力なさに無力感を感じたそうです。

現地の活動からYouTube発信へシフトした理由

原さんが現地での支援からYoutube活動へ変わっていったのは以下の理由からだそうです。

  • 自分一人では限界を感じたから
  • 対処療法にすぎないのでは?と思ったから

原さんがウガンダで難民支援をしていた時、南スーダンから逃げてきて旦那さんが捕まってしまった女性やはえが集ってボロボロの服を着ていた少年に出会ったそうです。その様子を見て、日本に帰って、資金を集めて人道支援に関わりました。

ハエが集っていた少年

その時、原さんが助けられたのは400人。被害にあっていた人は200万人。その時に全員を助けれられない無力感と一人でやる限界を感じ、仲間を増やすためにも、発信活動を強化するようになったそうです。

また、そもそも現地での支援は対処療法に過ぎないのでは?そもそも日本に暮らしている私たちの行動が、貧困や環境問題、戦争に繋がっているのではないか?と考えるようになったことも、YouTube活動に力を入れるようになった理由とのことでした。

私たちの日々の行動が戦争につながっているのかも、と聞くとドキッとしてしまいました。そこから私たちの生活がどのように貧困の原因になってしまっているのか?具体例をあげていただきました。

自分の洋服はどこからきている?

日本でも人気のファストファッションの多くはバングラディシュで作られています。実際に現地で働いている方は、賃金も少なく、生活が厳しい状況が続いていることも多いそうです。
そんなバングラディシュでは縫製工場の劣悪な環境が問題となっており、2013年にラナプラザ崩落事故が起こりました。 8階建てのビルが崩壊し、1,100人以上が犠牲になりました。ここでは先進国の人たちが着るファストファッションを作るために、低賃金、劣悪な環境で現地の人々が働いていたのです。原さんが現地でお話を聞いた人の中では、当時時給20円で働いていた人もいたそうです。

私たちの周りでもファストファッションは身近な存在ですが、どうしてそんなに安く作れるのか?誰かが犠牲になっているのではないか?と買い物をするときに考える必要があると強く思いました。 経営者から賃金が支払われていない、後遺症が残って苦しんでいる人が今も多くいて、現地では10年たった今でも抗議活動が続いているそうです。

洋服はどこへいく?

服を手放す手段の一つとして、着なくなった服を自治体やアパレルブランドがやっているリサイクルに出したことがある人も多いのではないでしょうか。

リサイクルに出された服の多くは日本から海外へ送られますが、その数なんと年間24万トン!
最終的にはアフリカにいくことが多いそうです。

リサイクル品として輸入された服は現地で一着数円〜数十円で販売されるそうですが、それが現地の人の繊維産業を破壊することに繋がっているんだそうです。なんと8割が失業したというデータも!

私たちのリサイクルが、現地の人の経済的自立を妨げているという事実に、とても怖くなりました。ガーナではなんと毎週1500万着が輸入されていて、最終的に4割が埋立地へ。そのうちの一部は海岸へ流出し、環境問題も引き起こしています。 日本に住んでいる私たちは、いつでも気軽に、安く服が手に入りますよね。ついSNSで目立つ流行りの服が欲しくなって衝動買いし、流行りが終わるとまだ着られるけどもう着たくない….そんな服を手放す時は罪悪感があります。

そんな時、リサイクルに出せば捨てるよりも罪悪感が減るような気がしていましたが、巡りに巡って現地にとってマイナスな影響を与えているんだなと思いました。

そもそも洋服は作られすぎている、という原さんの言葉も印象的でした。SNSやファッション雑誌をみていると、つい色々欲しくなってしまいますが、洋服を買う前は長く着れるかをよく考える、手放す時はフリマサイトで販売するなど、洋服の入口から出口まで考える必要性があると感じました。

スマートフォンの私たちの生活

最後に、私たちの生活にとってなくてはならないスマートフォンについてお話ししてくださいました。スマートフォンの製造にはレアメタルが使われています。
その
レアメタルが豊富に埋まっているコンゴ民主共和国のお話です。 レアメタルを掘るため鉱山で働く男性がヘルメットを被っていなかったり、児童労働が行われたりしていることが問題視されています。 コンゴ民主共和国は、世界一豊かで世界一貧しい国と呼ばれているそうです。
天然資源が豊富なのに、現地の人はまた低賃金で危険な仕事をさせられている、最新の電子機器を購入することが誰かの犠牲の上に成り立っているということに世界の歪みや矛盾を感じました。 また、コンゴ民主共和国の鉱物は紛争が続く要因にもなっているそうです。その紛争は世界最悪規模なのに、報道もされないということに驚きました。

本当に意味のある社会貢献とは?SDGsを知る前にやることがある

SDGsを学んでいても、そこに自発的な意志が欠けていると、意味のある社会貢献とは言えないのではないか、と主張する原さん。

そこで私たちが問題意識を保つために必要なことは、まずは世界の問題と自分達の繋がりを知ることだと教えてくださいました。

まさに、本日話していただいた、スマートフォンや洋服の話に繋がってくるんだなと思いました。

私たちの何気ない私たちの行動が貧困や戦争を引き起こしているかもしれない、便利で豊かな私たちの生活は誰かの犠牲の上に成り立っているかもしれない。
日常の生活で、そんな繋がりをまずは意識することが大切だなと感じました。


きっとスマートフォンや洋服は一例だと思うので、他にも食料品や、燃料など身近なもの様々なことでも、つながりをまずは意識したいなと思いました。 逆に、私たちが変われれば、世界が変わる、小さい変化が世界を変えることができると原さんはおっしゃっていました。

感想シェアタイムや質疑応答

講演会には兵庫の武庫川女子大学生が無料招待され、約100名が参加しました

ここからは、参加者による質疑応答や感想のシェアタイムでした。 さまざまな質問が出たのですが、0か100で考えないことが大切、と何度も話していたのが印象的でした。 例えばレアメタルの問題でも、原因はとても複雑だそうです。解決策としては

  • フェアトレードのスマホを使う
  • 今使っているスマホを長く使う
  • スマホのレアメタルをリサイクルする
  • サポートしているNGOを支援する

など様々な角度からのアプローチ方法を提案してくださいました。 紛争問題や環境問題、貧困などを考えると、問題が大きすぎて自分には何もできない…と無力感になってしまう時があります。そんな時も、いろんな角度から、今できる解決策を自分なりに考えて実行することが大切ですね。

また、「今日から私たちができることは?」という質問の回答で、「今日聞いて学んだことを誰かに伝える、発信する」というお話をしていただき、それならすぐにできそう!と思い、私も早速夫に話しました。

関心を持ち続けていると、いつか必ず具体的な行動につながる、そして関心を持ち続けるためには、言葉にして伝えて、同じような人と繋がることが大切とおっしゃっていました。

国際協力に関して考える仲間が欲しい、という方には、原寛太さんのオンラインサロンも運営されています♪

まとめ

フリーランス国際協力師・原貫太さん講演「世界を無視しない大人になるために」のイベントレポートでした♪

 

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この記事を書いた人:さっこ 暮らしの目からウロコのオンラインコミュニティ、ウロコミュニティ会員。北陸在住WEBフリーランス。 開発途上国に住んだ経験から、大量生産・大量消費社会に疑問を持つようになる。 無理なく、楽しく、ゆるいエコな暮らしを実践中! Twitter:https://twitter.com/sakko_laos blog:https://sloowlife.com/

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