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このコラムはウロコ人=環境・社会・地域のことを考えて行動する人をご紹介し、エコでエシカルな暮らしのヒントを一緒に考えます。

生物海洋学者の中嶋さんと出会ったことから、プラなし生活の運営を始めた古賀陽子さん。前編ではプラなし生活の誕生秘話、そして記事の一つ一つに込められた想いをお伺いしました。
後編では古賀さんの普段の生活や活動を続ける理由を伺っています。国や企業が変わるのを待つのではなく、今から個人でできることを一緒に考えましょう。

前編はこちら

聞き手:なかあづさ(暮らしの目からウロコ・共感ファシリテーター)

主体的にものを選ぶから、一つ一つが可愛く、大切にしたくなる

あづさ 古賀さんがプラスチックフリーな生活を続けられている要因はどこにあると思いますか?

古賀さん 使い捨てのものを買わなくなり、ゴミが減ったことが嬉しいですね。また、ちょっと意識して変えるだけで環境負荷がかからない生活を実感できたことが大きいです。嬉しい気持ちとものが減ってスッキリする実感が続けられている要因と思います。

あづさ 古賀さんがプラスチックフリーな暮らしを始めて、「目からウロコ!」と思った体験談を教えて下さい。

古賀さん 最初はみつろうラップから始めたんです。みつろうラップって可愛いじゃないですか。あの無機質なラップがこんなことになるんだ!しかも洗って使い回せる。すべてが嬉しいですよね。「使っていて気持ちいい」というのが大きいです。

あづさ 私たちも5月にみつろうラップをイベントで取り上げました。みつろうラップは可能性が無限大ですよね。

古賀さん そうそう、さらに自分で作れることも知って「これは嬉しい!」と。

みつろうラップを紹介した5月号の記事はこちら

あづさ みつろうラップ以外にお気に入りのグッズはありますか?

古賀さん ずっと愛用しているたわしですね。地味なんですけど(笑)。キッチンに置いておくだけで可愛くてオシャレに見えます。
プラスチックを減らすと、見た目が素敵になるのが良いですよね。オシャレなインテリア雑誌には、プラスチックが出てこないんですよ!木やガラスのものが多いですよね。プラスチックって生活感が出るものなんだなと気づきました。

あづさ 確かに!そして、自分で見て、嬉しくなる側面も大事ですよね!

古賀さん
 愛着なく買ってたものが減って、「これがいい」と主体的にものを選ぶようになりましたね。可愛くて大事にしたくなります。

あづさ 選んだものの一つ一つに自分の価値観が含まれていると思うと、よりいっそう、可愛く見えますよね。

あづさ エコな暮らしに関心が高くても、家族や周囲の人との共有が難しいという声が多く聞かれます。古賀さんはどのように周りと共有していますか?

古賀さん 無理強いはしないようにしています。詳しく伝えることも大事ですが、あまり聞き入れてもらえないので、「知らないうちに変わっていた」という状況を作っています。例えば、お風呂の洗剤を石けんタイプにしたり、スポンジをセルローススポンジに変えたり。それでも嫌と言われることがあるので無理強いせず、せめて少しでも環境に優しいものにさせてと相談しています。

あづさ 理屈よりもまずは使ってみると、意外と受け入れやすくなりますよね。

古賀さん マイボトルの使用や、買い物でプラスチックを選ばないなど、家族は私が気にしていることを意識してくれています。お互いの意見を尊重し合えるように意識していますね。

社会を変えていくのは一人一人の声や行動。そのきっかけになりたい

あづさ 「環境問題への取り組みは2030年までもう時間がない」とテレビでも言われるようになりました。とはいえ、まだまだエコな暮らしに関心がない人も多いのが現状です。どんなふうに変えていくのが良いと思いますか?

古賀さん 難しいですよね。関心が無い人にどう振り向いてもらえるかはプラなし生活の大事なテーマでもあります。基本は自分たちが楽しむこと。「楽しい」「生活が豊かになる」というのを大事に発信するようにしています。深刻な環境問題を伝えると、怖いから聞きたくないという人もいる。事実もしっかりと発信しつつ、それだけじゃなく楽しく、日常に溶け込むところを発信していきたいですね。

あづさ 私たち、暮らしの目からウロコでは「まず自分たちから」という思いで、暮らしに寄り添ったアイデアをきっかけに環境問題にアクションしています。時々言われるのは、個人の生活をエコにしてもインパクトが少ないということ。プラなし生活も私たちと同じように個人の生活に寄り添ったテーマを発信をするのはなぜでしょうか?

古賀さん 国や企業が変わっていくのには時間がかかるけど、そのあいだ、何もしないのはもったいないと思っています。だから、すぐに変えていける個人の暮らしに対してアクションをしていきたいんです。

あづさ 活動に対してネガティブな意見を言われることはありますか?

古賀さん あまり来ないですが、「個人がそんな小さな事をしてもどうしようもない」と言われることもあります。でも、社会を変えていくのは一人一人の声や行動だと思うので、それを変えていくきっかけになりたいと思ってやっています。

あづさ 古賀さんが今後やりたいことはなんですか?

古賀さん 去年くらいからオンラインセミナーを始めました。地道にやっていくことが大切なので、今後も積極的にやっていきたいですね。また、自分が住んでいる地域でセミナーやワークショップも広げていきたいと思っています。地域密着も大切な取り組みと考えています。

あづさ
 古賀さんがお住いの地域がゼロ・ウエイストやプラスチックフリーを推進するようになると他地域にもその輪が広がりそうですね!


あづさ 暮らしの目からウロコにはエコ・エシカルな暮らしに関心を持つ会員が21名集まってくれました。コミュニティメンバーにメッセージを頂けますか?

古賀さん
 暮らしの目からウロコさんに入ったのは、それぞれにきっかけやポジティブな思いがあると思うので、それをずっと大事にしてほしいです。エコな取り組みは周りが認めてくれなかったり、孤独に感じたりすることもあるかもしれません。そんなとき、「行動しよう」と思った最初の心を忘れずにいてほしいです。

ウロコ一同 今のお言葉にぐっときました…!素敵なメッセージ、ありがとうございました!

インタビュー中、プラスチックフリー以外の古賀さんの一面を知りたくて、マイブームをお伺いしたところ、最近は旦那さんの影響で山登りやボルダリングにハマっているそうです。環境問題のことを考えながら、日々楽しみ、豊かに暮らす古賀さんの暮らしにますます憧れますね!

環境問題に関心を持って、暮らしを少しだけでも変えていくこと。それは小さな一歩ですが、集まれば大きな一歩になります。

暮らしの目からウロコでは古賀陽子さんをゲストに「今日から始めるプラスチックフリー生活」を開催します!今、自分ができることを一緒に考えてみませんか。

イベントの詳細・お申込はこちら

(イベントは終了いたしました)

古賀陽子さん
プラなし生活実践中の主婦。
2005年にパナソニック(株)に入社し10年に渡り技術職勤務。
その間、出産・育児を経て現在は自宅でお仕事中。
海洋プラスチック汚染の深刻な実態を知り、生物海洋学者である中嶋亮太さんと共にプラスチックフリーなアイテムやヒントを探し回っています。
プラなし生活:https://lessplasticlife.com/
instagram:https://www.instagram.com/lifelessplastics/

聞き手:なかあづさ
暮らしの目からウロコ・共感ファシリテーター。
里山のログハウスに住みながら、リモートワークにてオンラインイベントの企画運営、ファシリテーションをなりわいとする。「地球も自分も好きになる」をビジョンに、毎日が豊かになり、幸せな時間をすごす人の輪を広げるためのサービス、イベント、コミュニティを企画している。
Twitter:https://twitter.com/Mt_Azusa157
Instagram:https://www.instagram.com/tandaoutdoor/
Youtube:https://www.youtube.com/c/tandaoutdoor

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